日本語のように主語が省略されやすい言語(プロドロップ言語)では、聞き手や読み手は「文脈」「話し手との関係性」「状況」などから主語を推測します。
ここで「当事者として読み取る」「共感的に解釈する」という読み方は、確かに日本語的な文脈理解の仕方として非常に自然です。
ただし、これは「動詞枠付」かどうかとは直接の因果関係はなく、日本語の話し手/聞き手の間にある高い文脈依存性やハイコンテクスト文化と結びついていると考える方が正確です。
英語が苦手な理由の1つに動詞の意味が安定しないことがある。
その原因は言語学的な捉え方の違いが関連していて、「枠付」をどこに置いているかによる。
まず、ここでいう「satellite」は天体としての「衛星(satellite)」の意味です。たとえば地球のまわりを回る月のような存在です。
言語学の用語においてもこの意味を借りていて、「中心(=動詞)に対して周囲に付属して意味を補足する要素」を「satellite」と呼びます。
この用語は、言語学者タロ―・スロービン(Leonard Talmy)が提唱したものです。移動表現において:
という構造をとる言語のことを「衛星枠付(satellite-framed)」と言います。
この "out of" のような「動詞のまわりに付属している移動の経路表現」が「衛星(satellite)」なんです。
日本語やスペイン語などでは、動詞自体が「移動+経路」まで含んだ意味をもっていて、satellite(補助的要素)が不要なことが多い。
この「出た」という動詞ひとつで「移動+経路」が完結しています。
要は、動詞で区切って移動表現をするか、衛星を含めた上で区切って移動表現を完成させるかの違いなのではないかと私は解釈してChatGPTに問いかけた結果返ってきたのが以下の解説
英語などの衛星枠付言語では「どう動いたか」が先に来て、「どこを通ったか」は後からくっついてくる。
日本語などの動詞枠付言語では「どこを通ったか(=経路)」がまず決まり、それに動きが乗ってくる感覚です。
英語は動詞の意味が日本語以上に安定しないのは衛星が影響していると言えるのかが気になって質問してみた。
↓
つまり、衛星がついて初めて意味が完成するので、動詞単体では意味がふわっとしていることが多いんです。
✅結論
衛星の影響で、英語の動詞は「意味の安定性」が日本語より低い傾向がある、と言えます。